紅 の 死神 は 眠り 姫 の 寝起き に 悩まさ れる。 紅の死神は眠り姫の寝起きに悩まされる【電子版特典付】 |無料試し読みなら漫画(マンガ)・電子書籍のコミックシーモア

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紅 の 死神 は 眠り 姫 の 寝起き に 悩まさ れる

1 ここは世界最高峰のマルン山を含むホッター山脈を背に、ドレアム王が治めるフロイト王国。 高地では牧畜を、山脈の麓では畑作を中心とした農業の盛んなのどかな国である。 日中の陽光を遮るために厚いカーテンが引かれた薄暗い部屋で眠る王女アマリリスは、今年で十九歳になる。 「プリンが食べたいわ!」 開口一番に発したリリスの言葉に、傍に控えていた侍女のテーナは首を傾げた。 「ぷりん、ですか?」 「そう、プリン。 プリンプリンしていてとっても美味しそうなの」 「……リリス様」 「いやだ、ダジャレじゃないわよ。 本当にそんな感じなの。 だからきっとプリンなのね」 白けた目をするテーナにリリスは慌てて弁明した。 だけど、どうして私が言い訳しないといけないのかしら、と気付いたリリスはつんと顎を上げる。 「とにかく、メモをしてあとで作るわ」 「はいはい。 今度は成功するといいですね」 「成功するに決まっているわよ。 だって、すごく簡単そうだったもの」 鼻息荒く自信満々に宣言するリリスを見て、テーナは疑わしく思いつつも何も言わなかった。 リリスがメモをしているときに邪魔をするのはご法度である。 それはリリスに仕えることになる者が最初に厳しく言い含められること。 その理由について知っている者は古参の侍女であるテーナやリリスの家族など、ごく一部ではあった。 そのため、日の光にさらされることのない肌は抜けるように白い。 だが髪の色は薄い茶色で目鼻立ちも特に美しいとは、リリスには思えなかった。 ただエメラルドにたとえられる緑の瞳だけは自慢である。 しかし、人々はめったに姿を現さない病弱なリリスに幻想を抱いて、いつしか〝美しきフロイトの眠り姫〟と呼ぶようになっていた。 ただ単に、リリスはよく眠るのだ。 一日のうち三分の二ほど眠っている日もある。 その姿を見ながら『眠り姫』とはよく言ったものだと、テーナなどは笑い交じりに納得していた。 ではなぜリリスがここまでよく眠るのか。 その秘密を知っているのは家族である父のドレアム王、母のカサブランカ王妃、兄のスピリス王太子、次兄のエアム王子、妹姫のダリア、そして古参の侍女テーナ他数名だけである。 ちなみにもう一人、弟王子のリーノはまだ一歳なので理解していない。 リリスが幼い頃は「赤子は眠るのが仕事」とばかりに皆も気にしていなかった。 それが三歳を過ぎてもよく眠り、どこか悪いのではないかと医師の意見を仰いだ。 そして下された診断結果は、体がそれだけ睡眠を欲しているということは、おそらく日常的に体を動かす能力に問題があるのだろうと、要するに体が弱いのだろうとのことだった。 だが、そのうち幼いリリスが不思議なことを口にし始めたのだ。 初めは幼子が見た夢の内容を話しているのだと思った。 それが現実に遠くで起こっていることであったり、未来に実際に起こってしまうことであると王妃が気付いたとき、事態は一変した。 「ドレアム、大変よ!」 「どうした? カサブランカ、何があったのだ?」 「あの子は……リリスは……」 「リリスに何かあったのか!? 」 「リリスは天才よ!」 「それは 真 まことか!? 」 「ええ、間違いないわ!」 「そうか、それは将来が楽しみだな!」 と、親ならほとんどの者が一度は口にする親馬鹿発言を王妃は王に告げたのだ。 そんな呑気な国王夫妻ではあったが、さすがに賢君と名高いドレアム王は、リリスの周囲には信用のできる者しか置かなかった。 リリスの見る夢は特殊である。 それは過去であったり、未来であったり、他国での出来事であったり、まるで物語のような世界のことであったり……。 最初の頃は半信半疑ではあったのだが、リリスの言うとおりに事を進めれば問題が解決することも多々あり、信じざるを得なかったのだ。 要するにドレアム王は、リリスの得た知識によって問題解決に当たり、今では賢君と呼ばれるようになった。

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1 ここは世界最高峰のマルン山を含むホッター山脈を背に、ドレアム王が治めるフロイト王国。 高地では牧畜を、山脈の麓では畑作を中心とした農業の盛んなのどかな国である。 日中の陽光を遮るために厚いカーテンが引かれた薄暗い部屋で眠る王女アマリリスは、今年で十九歳になる。 「プリンが食べたいわ!」 開口一番に発したリリスの言葉に、傍に控えていた侍女のテーナは首を傾げた。 「ぷりん、ですか?」 「そう、プリン。 プリンプリンしていてとっても美味しそうなの」 「……リリス様」 「いやだ、ダジャレじゃないわよ。 本当にそんな感じなの。 だからきっとプリンなのね」 白けた目をするテーナにリリスは慌てて弁明した。 だけど、どうして私が言い訳しないといけないのかしら、と気付いたリリスはつんと顎を上げる。 「とにかく、メモをしてあとで作るわ」 「はいはい。 今度は成功するといいですね」 「成功するに決まっているわよ。 だって、すごく簡単そうだったもの」 鼻息荒く自信満々に宣言するリリスを見て、テーナは疑わしく思いつつも何も言わなかった。 リリスがメモをしているときに邪魔をするのはご法度である。 それはリリスに仕えることになる者が最初に厳しく言い含められること。 その理由について知っている者は古参の侍女であるテーナやリリスの家族など、ごく一部ではあった。 そのため、日の光にさらされることのない肌は抜けるように白い。 だが髪の色は薄い茶色で目鼻立ちも特に美しいとは、リリスには思えなかった。 ただエメラルドにたとえられる緑の瞳だけは自慢である。 しかし、人々はめったに姿を現さない病弱なリリスに幻想を抱いて、いつしか〝美しきフロイトの眠り姫〟と呼ぶようになっていた。 ただ単に、リリスはよく眠るのだ。 一日のうち三分の二ほど眠っている日もある。 その姿を見ながら『眠り姫』とはよく言ったものだと、テーナなどは笑い交じりに納得していた。 ではなぜリリスがここまでよく眠るのか。 その秘密を知っているのは家族である父のドレアム王、母のカサブランカ王妃、兄のスピリス王太子、次兄のエアム王子、妹姫のダリア、そして古参の侍女テーナ他数名だけである。 ちなみにもう一人、弟王子のリーノはまだ一歳なので理解していない。 リリスが幼い頃は「赤子は眠るのが仕事」とばかりに皆も気にしていなかった。 それが三歳を過ぎてもよく眠り、どこか悪いのではないかと医師の意見を仰いだ。 そして下された診断結果は、体がそれだけ睡眠を欲しているということは、おそらく日常的に体を動かす能力に問題があるのだろうと、要するに体が弱いのだろうとのことだった。 だが、そのうち幼いリリスが不思議なことを口にし始めたのだ。 初めは幼子が見た夢の内容を話しているのだと思った。 それが現実に遠くで起こっていることであったり、未来に実際に起こってしまうことであると王妃が気付いたとき、事態は一変した。 「ドレアム、大変よ!」 「どうした? カサブランカ、何があったのだ?」 「あの子は……リリスは……」 「リリスに何かあったのか!? 」 「リリスは天才よ!」 「それは 真 まことか!? 」 「ええ、間違いないわ!」 「そうか、それは将来が楽しみだな!」 と、親ならほとんどの者が一度は口にする親馬鹿発言を王妃は王に告げたのだ。 そんな呑気な国王夫妻ではあったが、さすがに賢君と名高いドレアム王は、リリスの周囲には信用のできる者しか置かなかった。 リリスの見る夢は特殊である。 それは過去であったり、未来であったり、他国での出来事であったり、まるで物語のような世界のことであったり……。 最初の頃は半信半疑ではあったのだが、リリスの言うとおりに事を進めれば問題が解決することも多々あり、信じざるを得なかったのだ。 要するにドレアム王は、リリスの得た知識によって問題解決に当たり、今では賢君と呼ばれるようになった。

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紅 の 死神 は 眠り 姫 の 寝起き に 悩まさ れる

コメント: 【返金保証】きれいな状態の本です。 発送完了後、Amazonから発送をお知らせするメールが届きます。 よっぽどの作品の信者であるか、イラストを担当されている深山先生のファンなら別ですけど… 1行もしくは数行の加筆が挿入されているのが、私が気づいたので3箇所程度。 書籍化によるボーナスと言えるような加筆は本編最後数ページの、web版49話と50話の間の話のみです。 また、書き下ろしである番外編がweb読者にとっては目当てになるものかと思いますが、これは本編95-96pの内容と会話文、地の文、心情描写ともに重複している部分のある内容で、真新しさはありませんでした。 特典が付く書店さんでSSを読むくらいしか、web既読者にとっては書籍化による付加価値は低いと思います。 もちろん、ちょっとした表現などの言葉の選び方や接続詞など、web版ではどうしても話と話の間がぶつ切りになる部分などの調整等は随所に見受けられます。 元々が完成度が高い作品だと思いますし、加筆するもしないも作者様の自由です。 また下手に加筆改稿されて悪改稿と思えてしまい、今後の書籍版の購読継続に繋がらないよりは作品としての面白さは全く損なわれていないのでいいとも思います(実際、大好きだった作品でそういうことがありました…)。 なので、web版を知らない新規読者さんにとっては、楽しく読めるのではないかと思います。 主人公であるリリスの不思議な能力と超ポジティブな性格は読んでて元気を貰えますし、ちょっと女としては変な方向に突っ走ったりしますが、自分の評判を逆手とった賢い立ち回りなども読んでて気持ちいいものです。 所謂ヒーローでありリリスの夫となるジェスアルドも過去の出来事から頑なになっているものの、ぐいぐい来るリリスにほだされるちょろさも中々おいしい部分があると思います。 ただ、やっぱり名前しか出てないというのにアルノーにはもやっとしましたけど。 作者さんの書籍版を読むのは今作が初めてだったのですが、今まで自分が読んだ作品はお話のまとめ方がちょっと物足りないなと思う作品が多かったので、今作のラストには期待したいところです。 巻数を重ねている他2作は続刊にて加筆が多いものもあるようなので、次巻以降期待したいです。 あとやっぱり残念だったのが、1年前の書籍化告知からこの1年発売を楽しみにしていて、どんなに好みと外れたイラストでも絶対買うと思っていたところに、初出情報でイラスト担当が高星麻子先生の名前を確認し、凄く嬉しくて自分の中の期待度をあげすぎてしまったのも書籍商品に対し少し残念に思ってしまう理由の一つだと思います。

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