ロング デイズ ジャーニー。 六本木蔦屋書店で開催 『ロングデイズ・ジャーニー』公開記念「ビー・ガン フェア」詳細が明らかに|Real Sound|リアルサウンド 映画部

『ロングデイズ・ジャーニー』感想とレビュー評価。映画監督ビー・ガンが記憶の迷宮を描く【この夜の涯てへ】|銀幕の月光遊戯 55

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ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ:ネタバレしても全く関係ない大傑作 いやはや、またとんでもない作品が。 記憶と記録。 映画と夢と現実。 その垣根がこわされて、脳内が軽いパニックになる映像の連続。 受け入れられない人にはまったくもってダメな映画だとは思うけど(笑) 大方のストーリーはこう 父の死をきっかけに、何年も距離を置いていた故郷の凱里へ戻ったルオ・ホンウ。 そこで幼なじみである白猫の死を思い起こす。 そして同時に、ルオの心をずっと捉えて離れることのなった、ある女性のイメージが付きまとう。 香港の有名女優と同じワン・チーウェンと名乗った彼女の面影を追い、ルオは現実と記憶と夢が交わるミステリアスな旅に出る。 時間軸はバラバラに途切れ、登場人物の輪郭は揺らぎ、あれ?この人誰だっけ?ええと。 そういう「お話を追う」ことに慣れてる脳味噌を遮断してはじめて楽しめる。 前情報はなにもなく、みた。 でも、情報を与えられた後でも「?」は変わらない。 夢落ちかよ!っていう映画にゲンナリしたり、 監督の脳内を表現するだけのさむい作品も多い中、この「ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ」は「ただの夢の話」をこれ以上ない力技と繊細なカメラワークと色彩で私たちに届けてくれる。 こちらがそれを受け取るかどうかはその人次第。 ぼくは早くこの映画を所有して、何度も何度もみたいと思った。 ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ:フェチズムの前半 前半は「謎」が現れては消え、揚揚のない中国語のダイアログが続く。 僕らをまるで眠りに落とすかのように。 「ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ」は映画館で正しく眠るためのフィルもとも言える。 すこし、うとうとしはじめたあと、脳の回転が緩くなってから、観客が見る映像と自分のもつ記憶・ノスタルジーが混ざり合ってくる。 行ったこともない土地への郷愁、あったことがないはずの女。 ん、いや、どこかであった? 雨が全編にふりそそぐ。 トンネルの中に降り込む。 屋根があるところは一瞬、雨音が途絶え、人の声が聞こえる。 そしてまた、雨で遮断される。 パラパラパラと雨の音。 暗闇の中。 観客は映画と同じ闇にいる。 電気をつけると、無数の光の雨。 音の情報と、目からの情報の量を計算して作られる画面。 次はこうなるのでは? 映画をみてるとそんな思いがわく時が割るとあるよね。 その時、• 「その通りに行っても」〜なんだつまんね〜• 「意表をつかれても」〜なんだよその伏線回収のなさ! なんて文句言いたくなるよね。 「ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ」は違う。 意表を突くキングコブラも 寸止めされるカラオケリンチも 立って歩けるほどのプールも 回転サーブの威力も どれも「まいりました」といってしまう。 ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ:プレッシャーの後半60分一本勝負 ルオ・ホンウが映画館へ行き、3dメガネをかける。 ここからが驚愕のワンシーン。 僕はこの情報を知らなかったので「え?ちょっとまって?さっきからシーンは変わってもカメラチェンジがない!!!」て気づいた時、鳥肌が立った。 真っ暗な中、薄明かりのライトで「ここはどこか」を探るルオ・ホンウ。 あらわれる牛骨を被った子供。 まるでホラー映画のように「びっくり」を楽しめた。 前半の漂うムードは「劇中劇に参加する緊張感」にとって代られる。 ここからエンディングまでの美しすぎる「記憶のはかなさ」の表現は、映画が好きな人、虚構が好きな人、ノスタルジックな思いに浸りたい人全てが体感して欲しい。 ほんとうはこの部分は3D映画なのだそうだ。 観客も同じタイミングで3Dメガネをかけるんだそうだ。 「過去」は今の自分を縛り、走らせる。 ウォンカーワイの影響をビシビシ感じるし、リドリースコットの冒険劇も。 デヴィッドリンチのムードも、なんならクローネンバーグの色彩もある 偉大すぎる監督たちの影響を増幅して「私的」であり続けるこのビー監督は30歳手前。 長編二作目だという。 前作も賞レースで大絶賛だったらしいけど、そんな「若手監督」に、こんな大作をつくらせる中国の映画産業の懐の深さ。 ちびたテレビムービーばかりでギリギリ採算合わせてる島国とは訳が違う。 撮影監督が豪華で、• 侯孝賢のヤオ・ハンギ(台湾)• ディアオイーナン監督のドン・ジンソン(中国)• 裸足の季節のカメラマンダーヴィッド・シザレ(フランス) 照明はやはり、ウォンカーウァイのウォン・チーミン 架空の街を、技術者たちが全力で作り上げている。 何十年も映画を見て来たけど、これほど質量と湿度をかんじる「夢」は初めて。 ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ:サウンドの、音楽の重要性 良い映画が必ず良いサウンドトラックに恵まれている(逆もまた然り、とはいえない笑) イントロから踊りたくなるような深い残響のギターと静かなラテンリズム。 二胡やアジアの弦楽器もとてもいい味を出してる。 オルタナティブ音楽に明るいのかもしれない。 さらに素晴らしいのが「距離」をあらわす音。 遠くの雨、近くの雨の音域の違い。 前半部分のリアルな録音。 修理音。 壁を隔てた音楽の「重低音のこもりかた」から、人物が移動すると音が変わる。 スピーカーの前を一周するように音が変わる。 予告編をみて、「なかなか絵柄がスキー」みたいな軽い感じで「終演間近」だったから行ってみた。 コロナ騒動のおかげで、もう何ヶ月も映画館に行けてなかった。 映画は「全力で夢を見させ、全力で現実の血飛沫を浴びせる」ものだと思うので、映画館復帰作がこの「ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ」でほんとうによかった。 FACEBOOKページをフォローしていただけるとうれしい。 新しい記事をお届けします。 - 1,892 views• - 92,899 views• - 22,176 views• - 17,402 views• - 13,691 views• - 11,365 views• - 10,426 views• - 9,918 views• - 8,639 views• - 8,609 views• - 8,556 views• - 7,984 views• - 7,943 views• - 7,361 views• - 7,145 views• - 7,008 views• - 6,854 views• - 6,584 views• - 6,394 views• - 5,868 views• - 5,639 views 新しい記事• 2020年6月25日• 2020年6月23日• 2020年6月17日• 2020年6月14日• 2020年6月12日• 2020年6月11日• 2020年6月9日• 2020年6月4日• 2020年6月1日• 2020年5月30日.

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ビー・ガン監督作『ロングデイズ・ジャーニー』2D&3D版予告編公開 半野喜弘らの絶賛コメントも|Real Sound|リアルサウンド 映画部

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CONTENTS• 映画『ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ』の作品情報 C 2018 Dangmai Films Co. 前半80分を過ぎたところで3Dとなり、その後の60分間、ワンシークエンスショット映像が続きます。 中国本土で記録的な大ヒットとなり、アメリカでもロングランヒットを記録。 カンヌ国際映画ある視点部門正式上映、ICS インターナショナル・シネフィル・ソサイエティ カンヌ2018《特別賞》を受賞。 台湾・金馬奨では、撮影、音楽、音響賞の三部門で受賞。 東京フィルメックス・学生審査員賞を受賞しました。 映画『ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ』のあらすじ C 2018 Dangmai Films Co. 父親の死をきっかけに12年ぶりに故郷の凱里 かいり に帰ってきたルオ・ホンウ。 彼は幼馴染の白猫のことを回想します。 借金だらけだった白猫はある時、彼のところにりんごを送ってきました。 それをヅヲという男のところに持っていく約束でしたが、離婚したばかりのルオはそのことを忘れ、思い出した時にはりんごは腐っていました。 りんごを片付けていると、中から拳銃が出てきました。 以来、ルオはその拳銃を所持しています。 白猫は殺され、ヅヲという男は姿をくらましていました。 ルオは、自分を捨てて養蜂家の男と駆け落ちした母のことを思います。 昔、はちみつをとってきては食べさせてくれた優しかった母親。 その母親が名付けたレストランの時計の中に古い写真が隠されていました。 なによりも彼の心を惑わせる一人の女のイメージ。 彼女はワン・チーウェンと名乗りましたが、それは香港の有名女優の名でした。 ルオは女の面影を追って旅にでますが、現実と夢と記憶が交差するミステリアスな世界が待ち受けていました…。 映画『ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ』の感想と評価 C 2018 Dangmai Films Co. 3D映画への変容と60分間のワンシークエンスショット ビーガン監督は1989年、中国の南西部に位置する貴州省凱里(かいり)市で生まれました。 2015年の長編劇映画監督デビュー作品『凱里ブルース』は、ロカルノ国際映画祭で最優秀エマージング監督賞、最優秀初長編賞を受賞したほか、ヴェネチア国際映画祭、リスボン・エストリアル映画祭など数多くの映画祭で大きな反響を巻き起こしました。 2018年、本作『ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ』を発表。 カンヌ国際映画【ある視点部門】にて正式上映され、ICS インターナショナル・シネフィル・ソサイエティ カンヌ2018《特別賞》を受賞。 台湾・金馬奨、東京フィルメックスなどで数多くの賞を受賞しています。 この2作で若くして中国映画を代表する監督として国際的にその名前を刻むこととなりました 『凱里ブルース』は、ダンマイでの41分に渡るオールワンテイクや、ロングショットを多用した独特の映像美学の中に、人間の記憶、生と死を浮かび上がらせたロードムービーでしたが、『ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ』ではさらに、その美学が推し進められています。 過去と現在、記憶と現実が、交錯する世界が80分続いたあと、主人公が映画館に入り、3D映画のメガネをかけます。 そこから映画は突然3D映画へと変容するのです。 この変則的な上映形態だけでも驚きですが、この終盤の3Dでの60分がワンシークエンスショットで撮られているのです。 『凱里ブルース』でもカメラが突然被写体を映すのを捨てて走り出し近道をしてみせたり、誰よりも早く屋上へと駆け上がって行ったりというアクティブな動きに驚かされましたが、本作は、空を飛びさえし、祭りが行われている町全体を鮮やかに浮遊してみせます。 撮影には、ヤオ・ハンギ、ダーヴィッド・シザレ、ドン・ジンソンという3人の撮影監督があたっています。 3人がどのような役割で参加したのかは定かではありませんが、ビー・ガンの美学を見事にフィルムに焼き付けることに成功しています。 緑色の映画 C 2018 Dangmai Films Co. 映画の序盤、「グリーンブック」について、ある女が口にします。 愛について描かれた本らしく、持ち主(それもまた盗み出したものなのですが)の女は、それを大切な人に贈ると公言していたといいます。 それにならっていえば、『ロングデイズ・ジャーニー』も「緑色の映画」と呼ぶことができるでしょう。 なんといっても、ワン・チーウェンという女の美しく輝く緑色のドレス姿にはすっかり目を奪われてしまいます。 狭いトンネルを緑色のドレスを来た女が歩き、その後ろをゆるゆると一台の車がついていくショットは、目も眩むような美に満ちています。 そこに流れるどこか不穏で危険な空気はその光景をより神話化させます。 この女は、男たちからからたびたび前髪を引っ張られるという乱暴な振る舞いを受け、弱い犠牲者のようにも見えますが、新しい男ができるたびに前の男を殺害させているのではないかという疑惑のあるファム・ファタール的な影を帯びています。 緑色の服の女ということで、海外の批評家たちはこぞってヒッチコックの『めまい』のキム・ノヴァクを引き合いに出したというのもうなずけます(一人二役としても共通します)。 主人公の過去を探す旅はまるで探偵のようでもあり、亜熱帯気候の凱里という町がフィルム・ノワールの舞台として、雨と湿気に包まれながら、煙草の煙のように禍々しく立ち上がってきます。 前述のトンネルのシーンでは雨が弾けて、ライトによる色彩が滲み、まるでフイルムが焼けるシーンをみるかのような錯覚さえ呼び起こします。 映画と記憶について C 2018 Dangmai Films Co. 前半の80分、主人公は自身の過去の女性を探し、記憶を手繰り寄せようとします。 男は何度か映画館にその身をうずめますが、次のようなセリフをはいています。 「映画と記憶の最大の違いは映画は虚構で、場面をつないで作っているが、記憶は眼前にふいに現れる」 記憶をたどって、本作は過去と現在をいったりきたりします。 白猫という友人の若き姿や、ヅオという男が子供として登場して唐突にルオと卓球で勝負したりもします。 こうした人物は、突如何の前触れもなく現れるため、それが誰か、判然としませんし、観ているものは、その人間関係を完全に把握しようとすればするほど混乱に陥っていきます。 つまり、ビー・ガンはわざわざ映画と記憶の違いを述べておいて、その上で「記憶の映画」を撮ろうとしたのではないか? 先ほどの映画と記憶に関する言葉が発せられる時、緑色の服の女は、室内を右手にゆるゆると移動しており、向こうにはサッカーをしている親子連れが見えています。 女はほんの少し、サッカーの真似事をするように蹴る素振りをして見せます。 のちに3Dパートになった際、緑の女から赤い女に変容した女は、路上に転がったりんごを蹴ります。 これも1つの記憶の現れといえるのではないでしょうか。 記憶を映画化すること、映画を記憶化すること、記憶の曖昧さを映像化すること、映像の鮮明さを逆にあやふやにすること、そのようなことがこの作品で試みられたのではないか?とさえ思われるほど、本作は驚きに満ちています。 3Dになってからの世界は、もはや、一個人の記憶や夢の範疇にはおさまらない迷宮の世界です。 甘い記憶が現実を侵食し、女が逃げおおせるために行かなくてはならないと語った「宇宙」に、家も映画も回転しながらつながっていくのです。 まとめ C 2018 Dangmai Films Co. 主人公のルオ・ホンウを演じているのは、スタンリー・クワンの『長恨歌』などで知られる俳優、ホアン・ジェです。 ビー・ガンの実の叔父で『凱里ブルース』で主演を務めたチェン・ヨンゾンがギャングのヅヲ役を演じている他、白猫の子供時代を演じている少年はビー・ガンの異父兄弟だそうです。 照明では、ウォン・カーウァイ作品でおなじみの香港のウォン・チーミンが参加していることにも注目です。 ビー・ガン監督の『ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ』は、2020年2月28日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて全国公開されます。 次回の銀幕の月光遊戯は… C 上西雄大 2020年3月14日(土)より渋谷ユーロスペース他にて全国順次公開される日本映画『ひとくず』を取り上げる予定です。 お楽しみに。

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映画『ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ』あらすじとキャスト。ビーガン監督が3Dワンシークエンスで紡ぐ映像美

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『ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯へ』 原題(Long Day's Journey into Night)を聞いた時、ユージン・オニールの同名戯曲の映画化かと思った。 1956年に初演されたオニールの劇は20世紀演劇の最高峰と言われ、日本では「夜への長い旅路」として上演されている。 題名が示すように俳優と麻薬中毒の妻、放蕩息子に肺結核に冒されたもう一人の息子、メイドで構成されるある一家の朝から夜までの葛藤、感情の揺れが描かれる。 今回紹介するビー・ガン監督の作品は、これとは全く異なり、主人公が謎めいた女性の行方を探す旅を綴っており、一日では終わらないし、リアルさも追及されない。 主人公ルオ・ホンウの告げる状況説明、人物関係は明確さを欠き、随時織り込まれる回想場面もあいまいさを深めるばかり。 観客はなまじストーリー展開を追うより、ユニークな映像美を鑑賞することに傾注した方が楽しめるといった作品である。 かつて、彼には白猫という友人がいたが、洞窟で死体となって発見された。 白猫の恋人だった女性と出会い、写真の母に似ていたところから、彼女に惹かれ、愛するようになった。 香港の有名な女優と同じワン・チーウェンと名乗るが、本名なのかも不明だし、歳だって知らない。 その彼女も今どこにいるのか。 母の写真の裏に書かれた電話番号は、貴州の女子刑務所のものだった。 写真を送った女囚に会い、彼女から母の意外な過去を知らされる。 3D、2Dと二つのヴァージョンを見比べてみると、ケーブルで下に降りていく場面などは3Dの方がインパクトが強い。 主人公の独白でストーリーが展開していくのだが、「俺は夢を見ているのかもしれない」と語っているように、幻想的な要素が強い。 さまざまなメタファーが織り込まれているようにも思えるのだが、見ている間はただ催眠的な映像に圧倒される。 出会うのは女囚、ヤクザ、ホテルの主人、洞窟に住む卓球少年と一風変わった連中ばかり。 水がぽたぽた落ちるわびしい部屋、暗い列車内、洞窟、取り壊し直前の劇場、わびしい卓球場、のど自慢会場と、主人公がたどるオデッセーは、リアルとエキセントリックがないまぜになった感じを醸し出す。 金網や扉で先へ行けないもどかしさ、夢幻的な迷路に迷い込んで出られぬ歯がゆさを感じずにはおかない。 ワン・チーウェンが着ている二つの色の服、赤と緑の色遣いが強烈にアピールしているのも印象的。 ヤクザの親分として出ているチェ・ヨンゾンは叔父で、ビーが幼い頃に刑務所にいたこともあり、ビーの崇拝の対象だったとか。 ルオ・ホンウ役にホアン・ジエ、ワン・チーウェン役には「ラスト・コーション」(07)のタン・ウェイ、白猫の母には台湾出身で2018年作「妻の愛、娘の時」では監督主演していたシルヴィア・チャンが扮している。 ,Ltd — Heaven Pictures Beijing The Movie Co. 主人公チェンは元ヤクザで、殺人罪で9年間服役していたこともある。 現在は母の遺志で、凱里で診療所を開いていた。 異母弟は怠け者で、息子ウェイウェイの世話をせず、放置している。 意見してみたが、聞こうとしない。 その後、息子をダンマイの人に売ったと聞いて、取り戻しに行くことにした。 診療所の老女医がダンマイに住むかつての恋人に、思い出の品を届けてほしいというので引き受けた。 列車、バス、スクータータクシー、船で旅をしてダンマイへ。 女医の恋人だった男性はすでに死亡していた。 ウェイウェイが引き取られた家から離れた場所に隠れて、甥の姿を双眼鏡でこっそりと盗み見した。 以上のストーリーが展開される中、随時過去の出来事が挿入され、チェンは親分の身代わりで投獄されたことがわかる。 チェンとすれ違った人物の後をカメラが追っていき、主役が変わるのかなと思っていると、またチェンの描写にもどっていく。 通常のドラマ作法とは異なり、余計と思われる描写が入ることで、目先が変わり観客の興味が持続していく。 ,Ltd — Heaven Pictures Beijing The Movie Co. 野人が人を襲うという噂やラジオ・ニュースが数回放送されるが、その正体は最後まであかされない。 いったい何だったんだろう。 ロードムーヴィーであり、またチェンの心象風景を描いたとも言える。 甥の家の中の乱雑な様子、寄り道しながらのロード・ムーヴィーという点は「ロングデイズ・ジャーニー」に共通している。 本作は恩師の資金援助を得て、手持ちの2万元(35万円)で撮影スタートし、1000万元(1600万円)を借金して完成し、ロカルノ映画祭でワールドプレミア上映された。 第二作同じく作家性の強い映画に仕上がっている。 チェンには強烈な個性の持ち主である叔父チェ・ヨンゾンが扮している。 ,Ltd — Heaven Pictures Beijing The Movie Co. 大学ではジャーナリズムを専攻し、1974年から十五年間、映画雑誌「キネマ旬報」や映画書籍の編集に携わる。 以後、さまざまな雑誌や書籍に執筆。 著書に「世界SF映画全史」 愛育社 、「世界ミステリー映画大全」 愛育社 、「アメリカ映画100年帝国」(近代映画社)、訳書に「フレッド・ジンネマン自伝」(キネマ旬報社)などがある。

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