森川 すい めい。 「認知症ケアとコミュニティの役割」森川すいめい医師に聞く

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森川 すい めい

このため精神疾患や知的障がいを有する人へのフォローをする制度が十分にありませんでした。 ですから、支援活動をしていく上で、路上生活者の仕事の課題と精神保健の間にある課題のギャップの埋め方が分からず、四苦八苦しながら支援活動を行っていました。 そんな時に、世界の医療団の事務局長の畔柳さんにお会いしました。 畔柳さんは、世界の医療団として国内の支援を考えていた時でした。 東京プロジェクトとは、医療・福祉の支援が必要なホームレス状態の人々の、精神と生活を向上させることを目的としたプロジェクトです。 精神疾患を有する路上生活者にも支援という視点で考えると二通りのパターンがあります。 一つは精神保健の中で支援を受けていた人達が路上生活者になった場合です。 こうした人達は、「どういう支援を受けてどういう付き合いをすればいいか」は知っていますので医療に繋ぐことが主眼となります。 もう一つは、路上生活をずっとしながら働いて精神疾患を患ったり知的障がいを有することを知らずに働いてきて結果的に路上生活状態になった場合です。 こうした人達は、「精神保健分野での支援の受け方がわからない」し、「受けたあとでどういう生活していいかもわからない」という状況にありますので、医療につなぐだけでは支援になりません。。 私たちは、ひとりひとりの状況を判断し、地域での安定した生活に至るための橋渡し的な役割を担っていきます。 今課題となっているのは、「支援を繋ぐ人」を増やすことです。 その人を福祉事務所や病院、アパートに繋ぐためには付き添いが必要です。 独りではできないことがたくさんあるからです。 しかし、現在は最少人数のボランティアスタッフのみで行っていて、その人たちの都合がつかなかったり体調が悪いかったりすると支援ができない状況になります。 逆にそこをクリアできれば、路上生活者の人がアパートに入ったり治療を受けたりという支援をもっとスムーズにできるようになります。 現在、年間50人~100人の方の路上生活から脱する支援ができています。 支援を繋ぐ人が増えれば精神疾患を有する人が路上生活状態のままでなくてもよい状況にもっと力強くもっていくことができると確信しています。 路上生活に至るまでの貧困状態と、路上生活を脱した後の不安定な状態、こういった前後のことは含みません。 つまり欧米では「不安定な人たちも含めての支援」、日本では「路上から出たら終わり」になるわけです。 これはそもそも「平等」という言葉に対する考え方の違いが根底にあります。 アメリカは、「機会の平等」を実現しようとしている国です。 生まれた場所が不平等で貧困の格差があるのも認め、その上で機会を平等にしようと考えている。 これに対して、日本は「結果としての平等」を求めている国です。 「権利があり平等になるためには義務と責任をしっかりやるべきだ」と考え、そもそもの機会の不平等があることについてはあまり見てきませんでした。 こういった背景がホームレス政策の違いにも現れていると思います。 「ハウジングファースト」というのは、住まいを失った人への支援の第1は本人にとって安心できる住まいを得ることという支援の考え方です。 国の就労支援や生活保護の支援は不十分ながら確かに行われており、路上生活者の数は減っています。 しかし、路上生活から脱する場合は、集団生活を強いられるような貧困ビジネスが横行する劣悪な施設生活を強いる場合が多いのも事実です。 本人にしてみれば河川敷に作った小屋の方がずっとマシで安心できほどです。 彼ら彼女らは安定した生活を求めているのであって、必ずしも劣悪な施設に入れられ生きる自由や尊厳を奪われてまでも路上生活を脱したいというわけではありません。 むしろ路上で生活しながら仕事に行くといった自立した生活をしたいという場合もあります。 本人にとっての安心出来る住まいが得られるところから自立の支援が始まるのだと思います。 震災によって家や家族を失った人も多いですが、そうした中でも徐々に人とつながり、昔ながらの付き合いができるようになってきた人もいます。 住宅も建設され、そこに入居する人も増えています。 ところが、住宅に入った途端に津波の被害を思い出す人もいます。 住居に入ると壁が増える分、誰かと一緒にいる時間が少なくなります。 独りになり苦しい時間が増えます。 そこで、人とつながったり、新たな出会いやすさを作ったりすることが大切になります。 世界の医療団の仕事は人と人がつながる仕組みをつくっていくことだと考えています。 路上生活状態にある方と路上で出会ってから、地域での安定的な生活に至るまでの、「住まいの調整」と「生活の調整」を二本の柱として活動を進めています。 これまでの「ホームレス支援」での生活が安定するまで到達する人はごく少人数でした。 現在では関心を持って集まるひとも増え、当事者同士の支えあいも層が深くなり、着実に場が充実し変化してきています。 引き続き多くの人がこの現場を知ってくださることを願っています。

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その島のひとたちは、ひとの話をきかない 精神科医、「自殺希少地域」を行く : 森川すいめい

森川 すい めい

沿革 [ ]• - 新宿連絡会と池袋の路上生活者が連携して、「池袋野宿者連絡会(いけれん)」を結成。 - 当事者以外の支援者が「池袋野宿者と共に歩む会(いけとも)」を結成。 - 新宿で医療相談を行っていた医療者グループが、「池袋医療班」を結成。 - いけれん・いけとも・池袋医療班が合体して「地球と隣のはっぴい空間・池袋(TENOHASI)」を結成。 代表中村あずさ・事務局長森川すいめい。 - 特定非営利活動法人格を取得。 - 浦河・との「世界の医療団東京プロジェクト」を開始。 - プロジェクト名称を東京プロジェクト(以降HFTPと記述)と改称。 プロジェクト連携団体を、つくろい東京ファンド・訪問看護ステーションKAZOC・ゆうりんクリニック・べてぶくろ・ハビタット フォー ヒューマニティに拡大。 事業内容 [ ] ホームレスや生活保護の生活困窮者に対する支援をしており、月2回第2土曜日と第4土曜日に東池袋中央公園で炊き出し、医療相談や生活相談を行っている。 また毎週水曜夜の池袋駅周辺でのアウトリーチ(夜回り)による生活相談、医療相談や 、生活困窮者への支援としての生活保護申請の同行、医療支援、生活物資・アパート入居後の支援、交流活動等を随時行っている。 脚注 [ ]• 関連項目 [ ]• 外部リンク [ ]• この項目は、に関連した です。 などしてくださる。

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森川 すい めい

「鎧や兜を脱いで、ありのままの自分で」 ホームレス支援をする精神科医森川すいめい先生を取り上げたNHKの番組を観た感想です。 言葉を選びながらとつとつと話す姿に、静かな怒りと優しさを感じました。 育ちにより差別や偏見を生まない社会を実現させたい思いに触れることができた貴重な時間でした。 池袋でホームレス支援をする中で、相談に来る人は、様々な事由があるが、目立つのはコロナ禍でも問題になっている貧困ビジネスに引っかかってしまった実例も。 行政に紹介された先は、タコ部屋。 狭い部屋で不衛生な生活を強いられていた。 自立へ向け就労支援もあるが支配された関係性は変わらず、生活保護費はほぼ巻き上げられてしまい劣悪な環境に耐えられず逃げ出してきた人。 弱者を狙う、戸籍や仕事がないことに自立できるの甘い言葉で誘い、そこに漬け込む悪徳事業者を生んでしまう社会構造を変えていかなければと感じます。 屋根のある住まいを用意するため、アパートを借り上げるハウジングファースト支援もされています。 貧しい環境で育ちホームレスになると、選択肢はない、自分がダメだからと攻めてしまう気持ちが強い。 でも、住まいが決まると支配の構造から抜け出せたことで、その人がキラキラしてくる。 救われた人の笑顔は何よりの喜びですね。 アパートで自立生活をしている方が、今では、炊き出しボランティアの中心的な役割を担っています。 住まいは人権ならば、住宅を借りにくい立場の住宅確保要配慮者 高齢者・障害者・ひとり親・社会的養護にある若者達・外国籍の人達 への公的な支援の仕組みが急務です。 空き家対策はあっても、居住支援は進んでいない現状があります。 森川すいめい先生が、ホームレス支援をする影には、幼少期からの壮絶な過去が、暴力、虐待の中で武術家の父親にぶたれない日が1日しかなったのを覚えているの言葉に胸が痛みます。 理不尽でうまくいかないと暴力を振るう、自分のプライドを傷つけたら必ず子どもを殴る。 支配の構図、奴隷と同じだった。 いじめにも会い、学校も行かなくなり、家を出て外で過ごしていた時期もあった。 父親から最も暴力を受け子どもたちをかばってくれた母親が末期の癌になります。 母親が亡くなる時に遺した一言。 「すいめいは優しくない」実は母親を傷つけてきた。 そんな自分のことが許せないし、大嫌いだった自分をクリアしたのではなく蓋をしてきた。 そうでないように振る舞い生きてきた。 人間対人間でなければいけないのに、そこから消えてた。 その人から逃げているのではなく自分から逃げていた。 オープンダイアログをヘルシンキで体験した時、最後に自分の家族のことを話してと言われて母親の最後の一言に蓋をしてきた自分と向き合わなければならない。 今、私は自分を許しますと言えた。 「I for give me」 今は、そんな自分を嫌いなまま置いておける、ちゃんと人間対人間になれてる。 緊張しなくなった。 逃げなくなった。 今回、新型コロナ禍で住まいや戸籍を失うことが誰にも起こりうることと気づけたことは良かったけど、こんな政権だしと安倍政権批判もあり、森川先生だと攻めてる感や嫌味はないのですが、静かな怒りがあります。 ホームレスから立ち直っても新たな人が生まれてくる。 新しいタイプの野宿の人が出てくる。 話しを聞いちゃうから距離が縮まり終わることはない。 「だから、ここにいる」 ホームレスの方々を長い旅をされた仙人みたいな私の先生ですと歯に噛む精神科医森川すいめい先生。 20年以上に渡る支援には、愛がある、ありがとうの言葉が自然に交わされています。 東村山市にも、森川すいめい先生の講座を開き、多くの他職種の人達が集まりました。 オープンダイアログの精神療法を取り入れ、生き方を何回でもやり直せるリカバリーの手法も知ってもらえるよう対話を大事にしていきます。 何かはきっとできる.

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