映画 マーガレット サッチャー。 マーガレット・サッチャー

超映画批評「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」45点(100点満点中)

映画 マーガレット サッチャー

しかし、初出馬した下院議員選挙に落選。 そんな彼女を実業家、デニス・サッチャーが優しく励まし、ふたりは結婚。 やがて彼女は幸せな家庭を築くが、政治への意欲は失われていなかったのです。 「鉄の女」の異名を持つ、英国初の女性首相。 その本当の姿を描いた伝記ドラマです。 「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」ネタバレ 鉄の女と呼ばれ、イギリスで初めての女性首相となったマーガレット・サッチャー メリル・ストリープ。 政界から引退した後は家で静かに暮らしています。 スーパーで買った牛乳が高くなっていてびっくりしたと、夫のデニス ジム・ブロードベント に話しながら食事をするマーガレット。 しかし、夫の姿はマーガレットにしか見えません。 マーガレットは家族たちから認知症ではないかと疑われていました。 マーガレットが1人で外に出かけてしまった事で、家政婦や警備員は大騒ぎ。 必ず鍵をかけておくことと注意を促します。 マーガレットは自叙伝にサインをしていきますが、マーガレット・サッチャーとサインするところ旧姓のマーガレット・ロバーツとサインしてしまい、昔の記憶に想いを馳せます。 実家は食料品店を営んでいましたが、父親は政治家として活躍していました。 同年代の女性たちが着飾って歩くのを羨ましく思いながらも、勉学に励んでいたマーガレット 若い頃:アレクサンドラ・ローチ は、努力の甲斐があってオックスフォード大学への入学が決まります。 父親はとても喜びましたが、母親はあまり受け入れてくれませんでした。 そんなことを思い出しながら目が覚めると、家政婦が寝室にお茶を運んできます。 マーガレットにしか見えないデニスと会話をしていると、外から家政婦の声が聞こえ、電話で誰かに「薬を出すけどどこかに隠して飲んでくれない」と話しているのを聞いてしまいます。 認知症を疑われているマーガレットに処方された薬です。 その時出されたお茶にも薬が添えられていました。 娘のキャロル オリヴィア・コールマン もマーガレットの世話をしに家へやってきます。 その時にたまたまテレビで流れていたニュースがアルカイダのテロを報道していて、ブライトンのグランドホテルで爆破事件に遭遇してしまった記憶を蘇らせるマーガレット。 ホテルで保守党大会が行われていた日でした。 その時の記憶は鮮明に残っているのです。 マーガレットは、アルカイダの事件に対して追悼の意を表して声明文を出すとキャロルに伝えます。 首相だった時のように話すマーガレットにキャロルと家政婦は困惑しますが、その場を受け流すのでした。 そしてキャロルは、マーガレットに「1人で外に出ないで」と話しますが、マーガレットはキャロルの言葉に過敏に反応し「1人でも買い物位できる」と言い返すのです。 食事会に向かったマーガレットは、また昔の記憶を思い出します。 それはデニス 若い頃:ハリー・ロイド と出会った日。 マーガレットが下院議員に立候補を願い出た日の食事会です。 ベテランばかりの議員が揃う中、庶民から立候補したマーガレットだからこそ分かる問題点を提起し、女性と男性の差別がある事も訴えますが、他の議員はマーガレットが女性だからと全く相手にしてくれなかったのです。 その時、マーガレットの話を聞いて反応してくれたのはデニスだけでした。 昔の記憶に馳せていたマーガレットは、招待客からの「爆破事件について、あなたが首相ならどんな対応をしましたか?」という質問で現実に引き戻されます。 食事会の終わりに招待客の女性から「IRAがホテルを爆破した時の演説、素晴らしかったです。 あなたは女性にとってのお手本です。 」という言葉を掛けられ、「あの時は何をするかが重要だったけど、今は力を得る事が優先しているの。 」と答えます。 女性はその答えに、困惑しながらもマーガレットに礼を言って帰っていくのでした。 その夜、キャロルはマーガレットに「とてもいいお医者さんを見つけたの。 明日都合がつくそうだから予約を入れたわ。 」と病院での診察勧めます。 しかし、マーガレットはキャロルが言っている事とは全く違うことを話しはじめるのです。 キャロルは、ベッドに着きデニスを探すマーガレットに向かって「ママはもう首相じゃないし、パパは亡くなった。 」と泣きながら訴えますが、マーガレットはキャロルに「あなた疲れた顔してるわ。 たっぷり睡眠を取らなくては駄目よ。 」とキャロルの話をさえぎるのでした。 マーガレットはまた昔の記憶を呼び起こします。 下院議員に落選してしまったマーガレットを励ましてくれたのはデニスでした。 そして「君には実績があるけど、彼らの目から見たら君は未婚の食料品店の娘だ。 だけど実業家の妻になったら絶対に当選できる。 そして僕はだれよりも幸せな男になれる。 」と言ってマーガレットにプロポーズするのです。 マーガレットは涙を流してプロポーズを受け、2人でチークダンスを踊り幸せな時を過ごすのでした。 懐かしい記憶を思い出したマーガレットは、子供たちが幼い時に行った海辺で撮影したホームビデオを見始めます。 そのビデオを見ていたマーガレットはまた懐かしい記憶に想いを馳せます。 念願の議員に当選した日、マーガレットは母ではなく議員でした。 行かないでと泣き叫ぶ子供たちの声を振り切り、母の心を捨て議員として向かったのは夢にまで見た議事堂。 マーガレットは政治家としての一歩を踏み出すのでした。 それからしばらくして、たった1人の女性議員として活躍するマーガレットは教育相に抜擢されます。 マーガレットの発言する事には、男性の権力をかざして非難する議員ばかりでしたが、そんなことに負けるマーガレットではありません。 正当な言葉で信念を訴えます。 しかしこの時期は、労働組合がストライキを起こし、電気の止まった街は車が渋滞し、ゴミで溢れていました。 労働組合とやり合える党を作るため、マーガレットは保守党の党首選挙に立候補することを決心します。 その話を聞いたデニスやキャロルは家族を顧みないマーガレットを責め反対するのです。 それでも信念を貫き通したマーガレット。 マーガレットは、声の出し方や服装まで落ち着いた雰囲気に変えイメージチェンジを図ります。 それが受け、どんどん人気になっていくマーガレット。 そんな中、マーガレットを支え力になってくれていたエアリー・ニーブ議員 ニコラス・ファレル がテロに遭いこの世を去ってしまいます。 悲しみに暮れるマーガレットでしたが、エアリーの意志を継ぎ見事保守党を勝利に導き、そして英国史上初の女性首相が誕生するのです。 キャロルに紹介された病院で診察を受けたマーガレットは、医師の質問にしっかりと受け答えをします。 デニスが癌で亡くなってから長いという事、遺品整理をして痛んでないものは寄付をしたいと考えている事を話します。 「自分の考えが言葉になる。 その言葉が行動になる。 行動に気を付けるのが習慣になり、その習慣がその人の人格になり、その人格がその人の運命になる。 考えが人間を創るの。 」とかつて父親が口癖のようにいっていた事を話し、「私は健康よ。 」と医師に告げるのです。 病院から帰ったマーガレットは口うるさく話すデニスの声を遮ろうと必死になります。 家じゅうにある音の鳴る物を鳴らし、デニスの声を消したマーガレットは、「あなたが見えなければ私は正常に戻るの」と自分に言い聞かせるのです。 その時テレビのニュースで病院を訪れたマーガレットの姿が報道されていて、その自分の姿をみたマーガレットは「自分で自分が分からない」と呟くのでした。 マーガレットが首相になり2年。 経済を立て直す計画は中々上手く進まず、過去最悪だった時と同様の失業率に議員からは反発が起きます。 それは国民も同じで、激しい怒りを買うのでした。 経済政策を考え直さなくてはという意見に、マーガレットは「支出を削減しないと国は破綻するの。 薬は口に苦いけど、飲まないと患者は死ぬの。 患者に薬を飲むなと言うの?」と言い、政策を続行させます。 不況にあえぐ英国では職を持っている者と持たない者に分断され暴動が起きていました。 それは激しさを増し、多くの命が奪われたのです。 そんな中、グランドホテルでの爆破事件が起きました。 デニスとホテルに滞在していたマーガレットは原稿を仕上げるため明け方まで起きていましたが、その時激しい爆発が起きたのです。 部屋の壁や窓は吹き飛び、埃が舞う中デニスの安否を確認するマーガレット。 奇跡的に二人とも無事でした。 しかし、その頃の事を今でも夢で見るマーガレット。 それほどに衝撃的な事件だったのです。 その後も試練が続くマーガレット。 フォークランドで戦争が始まります。 マーガレットは「英国の領土侵攻を許すことはできません。 犯罪者やゴロツキとの交渉には応じません。 フォークランドは英国の領土です。 その領土を取り戻したい。 」と閣僚に話し、意見を仰ぎます。 軍を出すには莫大な費用が掛かるため、マーガレットはどうするべきか悩みますが、軍を出動させる決断を下すのです。 その決断を聞いたアメリカの国務長官はマーガレットに「あなたはあの島を巡って戦争を始めると言うのですか?」と問います。 マーガレットは「ハワイと同じです。 真珠湾が奇襲された時アメリカは同胞に背を向けましたか?いいえ!そうはしなかった!信条を貫くかどうかが問われているのです。 」と答え「これまでの私も戦いの日々でした。 大勢の男性に見くびられながらね。 今度の相手も同じです。 最後には泣きを見ます!」と意見を貫くのです。 2か月に渡る戦闘は英国の勝利で幕を閉じます。 領土を守ることは出来ましたが、多くの犠牲者が出ました。 マーガレットは犠牲者の家族に丁寧に手書きでお悔やみの手紙を送るのでした。 終戦後、平和が戻った英国の国会でマーガレットは、戦争で戦った兵士たちへ感謝を述べ「言われのない武力侵略に直面しました。 そして応戦し、過去にそうしたようにその挑発に応えたのです。 国民の団結と力と勇気で。 たとえ大きな犠牲を伴っても、最後は善が悪を倒し勝利することを確信していました。 」と発言するのです。 このことをきっかけに、マーガレットは世論調査で最も憎まれていた首相から人気トップの首相へとなりました。 英国は見事に復活を遂げたのです。 「サッチャー景気」と言われるまでに高い経済効果をもたらしたマーガレットの政策でしたが、ヨーロッパの統一通貨の事で議員と意見が分かれてしまいます。 マーガレットのやり方に批判的な声も聞こえるようになりました。 収入の額に関わらず、同額の税金を課す政策を提案するマーガレットに多くの批判が集まるのです。 しかし、どんなに批判を受けても自分の意見を変えないマーガレット。 また国民たちからの反発を買ってしまいます。 「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」ラスト最後の結末 独裁的なマーガレットについていけなくなった官僚や議員。 議長を務めるジェフリー・ハウ アンソニー・ヘッド もその一人。 マーガレットからのいびりに耐えられなくなったジェフリーは、あまりにも意見が食い違っているという理由で辞職を願い出るのでした。 ジェフリーは国会の場で「私は党と国の為に最善を尽くしました。 それも他に譲る時が来たようです。 」と演説し、その演説を聞いた議員たちはマーガレットへの不信感を募らせていくのです。 党首交代を要請する声も多く、次の党首にマイケル・ヘーゼルタイン リチャード・E・グラント が立候補します。 マーガレットは自分の勝利を確信していましたが、かつての仲間だった議員たちはマーガレットを退陣させようと躍起になります。 デニスのアドバイスもあり、マイケルに敗北するよりも自ら首相の座から降りる選択をしたマーガレット。 11年半にも及ぶ任期を務めあげたマーガレットは、首相としての最後の日を真っ赤なスーツで締めくくります。 そのことを思い出しながら、マーガレットは幻のデニスと一緒にあの時の議員や閣僚たちに「裏切り者!腰抜け!」と罵倒するのです。 マーガレットがデニスの遺品を整理していると昔の写真が出てきます。 その写真を見つめながら「私は社会に貢献したかっただけ。 」と話すとデニスが「君はよくやった。 成し遂げたよ。 」と答えます。 子供たちデニスに送った誕生日のメッセージカードを見て「そして子供たちが立派に育ち幸せになって欲しかった。 少なくとも私より幸せに。 あなたにも幸せになって欲しかった。 デニス幸せだった?」とデニスに話しかけますが、デニスからの答えは返ってきません。 マーガレットは、思い出の詰まったデニスの靴や服をどんどんゴミ袋に入れていきます。 袋に入れる度にデニスとの思い出を蘇らせながら。 デニスのスーツケースに、デニスがいつも着ていたナイトガウンを入れデニスを呼びます。 「あなたのトランクよ。 きれいに詰めたわ。 」と言ってスーツケースを渡し、コートを着せるのです。 デニスはマーガレットにキスをし、靴を履かずに家を出て行こうとします。 マーガレットはそんなデニスに向かって「ちょっと待って。 行かないで。 まだよ。 私を独りぼっちにしないで。 」と泣きながら語りかけると、デニスは「君は1人で生きていけるよ。 今までもそうだった。 」そう言ってマーガレットの前から姿を消してしまうのでした。 翌朝、整理した荷物でいっぱいの寝室で眠りこけてしまったマーガレットをキャロルが起こしにやってきます。 色々な事を吹っ切れたマーガレットはそれから穏やかな生活を送るのでした。 「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」見どころ マーガレット・サッチャー役のメリル・ストリープの演技が素晴らしいです! 老いた姿は特殊メイクをしているにしても、その歩き方や表情などが演じている年齢と合っていて、全く違和感がないのです! メリルって何歳だっけ?と考えてしまったほどです! この年のアカデミー賞主演女優賞に輝いたのも頷けますよね。 鉄の女と言われたマーガレット・サッチャーを力強く堂々と演じ、どこまでもマーガレット・サッチャーを追い続けた役作りは本当に見事です! 個人的に、強烈なイメージがあるサッチャー首相でしたが、男性社会の中で自分の意見を貫き通し逞しく生き抜いた姿が上手く描かれていて、サッチャー首相に対するイメージも少し変わった作品でもあります。 最後はかなり泣けます! デニスとマーガレットのシーン、最後に限らずとても良いのです! 母や女性としてではなく、政治家として生きてきたマーガレットの愛がデニスとのシーンでは感じられてとても好きなシーンが多いです。 そして「ティーカップを洗うだけの人生は耐えられない」と言っていたマーガレットでしたが、最後のシーンでは自分が使ったティーカップを家政婦ではなく自分で洗っているというシーンがとても素敵でした。

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映画『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』メリル・ストリープ 単独インタビュー

映画 マーガレット サッチャー

第二次世界大戦終結間際から1990年の首相退任までのサッチャーの政治家生活を描いた伝記映画。 夫に先立たれ認知症が世間に公表された頃を軸に、過去の主要な出来事を頻繁にインサートして、イギリス政界や当時の社会状況をダイジェストした記録もの。 映画「リトルダンサー」にある国営化政策の撤廃にからむ労働組合との軋轢、IRAのテロに対する強硬姿勢、アルゼンチンと戦争したフォークランド紛争、最後は人頭税導入で保守党内部で孤立するところなど、一応歴史のなかのサッチャーの立場は理解できる。 対して私生活は説明不足で、娘キャロルは何度か登場するも息子マークの成人した姿はなく、夫デニスとの婚約エピソードはあるが、幻覚に度々現れるほどの夫婦愛の核心は描かれていない。 故にサッチャーを演じたメリル・ストリープのひとり舞台に終わる。 20代はさすがに若い女優に任せ、中年から晩年までのサッチャーの妥協なき強靭な女性像を見事に演じて、実力をみせつける。 この演技で三度目オスカー受賞の名誉を獲得する。 ただ精巧なメーキャップが内面の表現を削ぐ晩年は個人的にあまり感心しなかった。 「クレイマー・クレイマー」「ソフィーの選択」、「フランス軍中尉の女」の名演には及ばない。 伝統に凝り固まった男性組織の硬直化を打破する、女性政治家の必要性をより深く描いても良かったのではないか。 副首相の辞任劇が生きたはず。 情報量は多いがドラマとしての面白さはない。 私の記憶では、首相就任後、強硬な政治姿勢を労働者階級から批判されていた記憶が微かにあり(私が覚えているのは当時ブリティッシュ・ロックを牽引していた「The Smiths」の強烈な批判コメントの数々)、良いイメージが無かったサッチャー首相だが、この映画を観て少し彼女の印象が変わった作品。 この映画は首相就任前の彼女の政治姿勢と、3度保守党党首として総選挙に勝利する過程や首相就任時の出来事の数々 1.支出削減制作 2.フォークランド紛争 3.人頭税の導入 ・・・・ そして、首相を退いてから認知症を患いながらも前向きに、高邁で強固な意思を持って生きた稀有な一人の女性の人生を描き出した秀作であった。 <2012年4月8日 劇場にて鑑賞> ネタバレ! クリックして本文を読む 気が強くて、 男社会の中にいても、 物怖じせず、 ガンガン主張をぶつけるマーガレット。 しかし、もともと強かったというのではなく、 強くならざるを得なかったのかも知れない。 物語の割と最初の方で、 「ティーカップを洗ったりするだけの人生なんて、耐えられない。 」 そうはなりたくない、だから自分は世界を変える、 首相に立候補するんだ、と後の夫に訴えて、 そんな女でいいのか、というプロポーズに対する返答だったのだけれど、 その、耐えられない人生だといった行為のラストシーンが、 なんだか物凄く印象的だった。 夫を亡くし、夫が幸せだったのかどうかが気になり、 自分が耐えられないと思っていた行為こそが、 本当は幸せだったのではないか・・・と、 もしかしたら後悔してしまっていたのだろうか。 だけど、間違いなく世界を好転させたのも、 彼女だったのだろうと思う。 ネタバレ! クリックして本文を読む 晩年認知症を患った彼女の回顧録という形。 "One's life must matter, Denis... beyond all the cooking and the cleaning and the children, one's life must mean more than that. I cannot die washing up the teacup. " と言ってプロポーズを受けた彼女ですが、ラストシーンはティーカップを洗っていたのが印象的でした。 歴史に名を残す首相とは言え、家族を愛し孤独に涙する1人の英国女性、ってことなんでしょうか。 彼女の政治人生も、彼女と子供とのつながりも、描写が少々中途半端ですが、大まかな流れを描いたって感じです。 考えがいずれ運命になるっていう劇中の格言、あれはマザーテレサのものだと思っていましたが… その他気になったセリフ "It used to be about trying to do something; now it's about trying to be someone. " 怯むことなく信念を貫いて実行に移してきた彼女らしさが出てました。 "I have done battle every single day of my life. " 男階級社会で戦い続けた苦労が伝わりました。 アメリカとの会談のシーン、母強し!圧巻でした。 かつてイギリスもアメリカのお母さんでしたね。 総合55点 ( ストーリー:40点|キャスト:75点|演出:55点|ビジュアル:70点|音楽:70点 ) 英国病と言われた大英帝国の落日と経済の停滞・ビッグバンといわれた経済の大改革・労働争議・IRAの反政府活動との戦い・フォークランド紛争に加えて、閉鎖社会英国における初の女性首相としての険しい道のり等、彼女にまつわる話題は事欠かない。 たくさんの困難にも負けずに大きな改革と前進を成し遂げたサッチャー首相を描く作品なので、そのような政治家としての半生を政治の裏側まで描くのかと期待していた。 しかし、具体的な問題や歴史的な事柄が明確に出てくるのではなく、サッチャーという家庭人や個人としての細かなことや人柄に焦点があたっていたし、それも抽象的な演出が多くてわかり辛い。 しかもそれは政治家を引退してからのことが中心になるし、時代が頻繁に前後するし、幻想と現実を行き来するのも分り辛さに拍車をかける。 細切れで政治問題も出てくるが、時代の大きなうねりを作り上げた政治家としての活躍が大きく取り上げられることがなく、せっかくの有名政治家なのにただの一人の人物としての描き方に終始している。 どんな問題が出てきて、それに対してどのような対策をとったのか、どんな目標をもってその達成のために何をしたのか、そのようなことが殆ど出てこない。 選挙に落ちた、選挙に勝った、爆破事件があった、そんな歴史的事実を途中途中に放り込んでくるだけで、彼女がそれにどう動いていったかを省いている。 メリル・ストリープの演技は良かったし、全体の質感は悪くない。 でも映画一本使って描くことが、鉄の女と言われた彼女にも家庭があって歳をとってからは幻想や痴呆に悩まされていました、だけでは明らかに物足りない。 監督が女性だから家庭生活に目がいったのかもしれないが、この偉大な政治家を取り上げるのならば、他に描くことはいくらでもあっただろう。 C 2011 Pathe Productions Limited , Channel Four Television Corporation and The British Film Institute. 「WAVES ウェイブス」 C 2019 A24 Distribution, LLC. All rights reserved. 「レイニーデイ・イン・ニューヨーク」 C 2019 Gravier Productions, Inc. 「デスカムトゥルー」 C IZANAGIGAMES, Inc. All rights reserved. 「ドクター・ドリトル」 C 2019 Universal Pictures. All Rights Reserved.

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マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙

映画 マーガレット サッチャー

しかし、初出馬した下院議員選挙に落選。 そんな彼女を実業家、デニス・サッチャーが優しく励まし、ふたりは結婚。 やがて彼女は幸せな家庭を築くが、政治への意欲は失われていなかったのです。 「鉄の女」の異名を持つ、英国初の女性首相。 その本当の姿を描いた伝記ドラマです。 「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」ネタバレ 鉄の女と呼ばれ、イギリスで初めての女性首相となったマーガレット・サッチャー メリル・ストリープ。 政界から引退した後は家で静かに暮らしています。 スーパーで買った牛乳が高くなっていてびっくりしたと、夫のデニス ジム・ブロードベント に話しながら食事をするマーガレット。 しかし、夫の姿はマーガレットにしか見えません。 マーガレットは家族たちから認知症ではないかと疑われていました。 マーガレットが1人で外に出かけてしまった事で、家政婦や警備員は大騒ぎ。 必ず鍵をかけておくことと注意を促します。 マーガレットは自叙伝にサインをしていきますが、マーガレット・サッチャーとサインするところ旧姓のマーガレット・ロバーツとサインしてしまい、昔の記憶に想いを馳せます。 実家は食料品店を営んでいましたが、父親は政治家として活躍していました。 同年代の女性たちが着飾って歩くのを羨ましく思いながらも、勉学に励んでいたマーガレット 若い頃:アレクサンドラ・ローチ は、努力の甲斐があってオックスフォード大学への入学が決まります。 父親はとても喜びましたが、母親はあまり受け入れてくれませんでした。 そんなことを思い出しながら目が覚めると、家政婦が寝室にお茶を運んできます。 マーガレットにしか見えないデニスと会話をしていると、外から家政婦の声が聞こえ、電話で誰かに「薬を出すけどどこかに隠して飲んでくれない」と話しているのを聞いてしまいます。 認知症を疑われているマーガレットに処方された薬です。 その時出されたお茶にも薬が添えられていました。 娘のキャロル オリヴィア・コールマン もマーガレットの世話をしに家へやってきます。 その時にたまたまテレビで流れていたニュースがアルカイダのテロを報道していて、ブライトンのグランドホテルで爆破事件に遭遇してしまった記憶を蘇らせるマーガレット。 ホテルで保守党大会が行われていた日でした。 その時の記憶は鮮明に残っているのです。 マーガレットは、アルカイダの事件に対して追悼の意を表して声明文を出すとキャロルに伝えます。 首相だった時のように話すマーガレットにキャロルと家政婦は困惑しますが、その場を受け流すのでした。 そしてキャロルは、マーガレットに「1人で外に出ないで」と話しますが、マーガレットはキャロルの言葉に過敏に反応し「1人でも買い物位できる」と言い返すのです。 食事会に向かったマーガレットは、また昔の記憶を思い出します。 それはデニス 若い頃:ハリー・ロイド と出会った日。 マーガレットが下院議員に立候補を願い出た日の食事会です。 ベテランばかりの議員が揃う中、庶民から立候補したマーガレットだからこそ分かる問題点を提起し、女性と男性の差別がある事も訴えますが、他の議員はマーガレットが女性だからと全く相手にしてくれなかったのです。 その時、マーガレットの話を聞いて反応してくれたのはデニスだけでした。 昔の記憶に馳せていたマーガレットは、招待客からの「爆破事件について、あなたが首相ならどんな対応をしましたか?」という質問で現実に引き戻されます。 食事会の終わりに招待客の女性から「IRAがホテルを爆破した時の演説、素晴らしかったです。 あなたは女性にとってのお手本です。 」という言葉を掛けられ、「あの時は何をするかが重要だったけど、今は力を得る事が優先しているの。 」と答えます。 女性はその答えに、困惑しながらもマーガレットに礼を言って帰っていくのでした。 その夜、キャロルはマーガレットに「とてもいいお医者さんを見つけたの。 明日都合がつくそうだから予約を入れたわ。 」と病院での診察勧めます。 しかし、マーガレットはキャロルが言っている事とは全く違うことを話しはじめるのです。 キャロルは、ベッドに着きデニスを探すマーガレットに向かって「ママはもう首相じゃないし、パパは亡くなった。 」と泣きながら訴えますが、マーガレットはキャロルに「あなた疲れた顔してるわ。 たっぷり睡眠を取らなくては駄目よ。 」とキャロルの話をさえぎるのでした。 マーガレットはまた昔の記憶を呼び起こします。 下院議員に落選してしまったマーガレットを励ましてくれたのはデニスでした。 そして「君には実績があるけど、彼らの目から見たら君は未婚の食料品店の娘だ。 だけど実業家の妻になったら絶対に当選できる。 そして僕はだれよりも幸せな男になれる。 」と言ってマーガレットにプロポーズするのです。 マーガレットは涙を流してプロポーズを受け、2人でチークダンスを踊り幸せな時を過ごすのでした。 懐かしい記憶を思い出したマーガレットは、子供たちが幼い時に行った海辺で撮影したホームビデオを見始めます。 そのビデオを見ていたマーガレットはまた懐かしい記憶に想いを馳せます。 念願の議員に当選した日、マーガレットは母ではなく議員でした。 行かないでと泣き叫ぶ子供たちの声を振り切り、母の心を捨て議員として向かったのは夢にまで見た議事堂。 マーガレットは政治家としての一歩を踏み出すのでした。 それからしばらくして、たった1人の女性議員として活躍するマーガレットは教育相に抜擢されます。 マーガレットの発言する事には、男性の権力をかざして非難する議員ばかりでしたが、そんなことに負けるマーガレットではありません。 正当な言葉で信念を訴えます。 しかしこの時期は、労働組合がストライキを起こし、電気の止まった街は車が渋滞し、ゴミで溢れていました。 労働組合とやり合える党を作るため、マーガレットは保守党の党首選挙に立候補することを決心します。 その話を聞いたデニスやキャロルは家族を顧みないマーガレットを責め反対するのです。 それでも信念を貫き通したマーガレット。 マーガレットは、声の出し方や服装まで落ち着いた雰囲気に変えイメージチェンジを図ります。 それが受け、どんどん人気になっていくマーガレット。 そんな中、マーガレットを支え力になってくれていたエアリー・ニーブ議員 ニコラス・ファレル がテロに遭いこの世を去ってしまいます。 悲しみに暮れるマーガレットでしたが、エアリーの意志を継ぎ見事保守党を勝利に導き、そして英国史上初の女性首相が誕生するのです。 キャロルに紹介された病院で診察を受けたマーガレットは、医師の質問にしっかりと受け答えをします。 デニスが癌で亡くなってから長いという事、遺品整理をして痛んでないものは寄付をしたいと考えている事を話します。 「自分の考えが言葉になる。 その言葉が行動になる。 行動に気を付けるのが習慣になり、その習慣がその人の人格になり、その人格がその人の運命になる。 考えが人間を創るの。 」とかつて父親が口癖のようにいっていた事を話し、「私は健康よ。 」と医師に告げるのです。 病院から帰ったマーガレットは口うるさく話すデニスの声を遮ろうと必死になります。 家じゅうにある音の鳴る物を鳴らし、デニスの声を消したマーガレットは、「あなたが見えなければ私は正常に戻るの」と自分に言い聞かせるのです。 その時テレビのニュースで病院を訪れたマーガレットの姿が報道されていて、その自分の姿をみたマーガレットは「自分で自分が分からない」と呟くのでした。 マーガレットが首相になり2年。 経済を立て直す計画は中々上手く進まず、過去最悪だった時と同様の失業率に議員からは反発が起きます。 それは国民も同じで、激しい怒りを買うのでした。 経済政策を考え直さなくてはという意見に、マーガレットは「支出を削減しないと国は破綻するの。 薬は口に苦いけど、飲まないと患者は死ぬの。 患者に薬を飲むなと言うの?」と言い、政策を続行させます。 不況にあえぐ英国では職を持っている者と持たない者に分断され暴動が起きていました。 それは激しさを増し、多くの命が奪われたのです。 そんな中、グランドホテルでの爆破事件が起きました。 デニスとホテルに滞在していたマーガレットは原稿を仕上げるため明け方まで起きていましたが、その時激しい爆発が起きたのです。 部屋の壁や窓は吹き飛び、埃が舞う中デニスの安否を確認するマーガレット。 奇跡的に二人とも無事でした。 しかし、その頃の事を今でも夢で見るマーガレット。 それほどに衝撃的な事件だったのです。 その後も試練が続くマーガレット。 フォークランドで戦争が始まります。 マーガレットは「英国の領土侵攻を許すことはできません。 犯罪者やゴロツキとの交渉には応じません。 フォークランドは英国の領土です。 その領土を取り戻したい。 」と閣僚に話し、意見を仰ぎます。 軍を出すには莫大な費用が掛かるため、マーガレットはどうするべきか悩みますが、軍を出動させる決断を下すのです。 その決断を聞いたアメリカの国務長官はマーガレットに「あなたはあの島を巡って戦争を始めると言うのですか?」と問います。 マーガレットは「ハワイと同じです。 真珠湾が奇襲された時アメリカは同胞に背を向けましたか?いいえ!そうはしなかった!信条を貫くかどうかが問われているのです。 」と答え「これまでの私も戦いの日々でした。 大勢の男性に見くびられながらね。 今度の相手も同じです。 最後には泣きを見ます!」と意見を貫くのです。 2か月に渡る戦闘は英国の勝利で幕を閉じます。 領土を守ることは出来ましたが、多くの犠牲者が出ました。 マーガレットは犠牲者の家族に丁寧に手書きでお悔やみの手紙を送るのでした。 終戦後、平和が戻った英国の国会でマーガレットは、戦争で戦った兵士たちへ感謝を述べ「言われのない武力侵略に直面しました。 そして応戦し、過去にそうしたようにその挑発に応えたのです。 国民の団結と力と勇気で。 たとえ大きな犠牲を伴っても、最後は善が悪を倒し勝利することを確信していました。 」と発言するのです。 このことをきっかけに、マーガレットは世論調査で最も憎まれていた首相から人気トップの首相へとなりました。 英国は見事に復活を遂げたのです。 「サッチャー景気」と言われるまでに高い経済効果をもたらしたマーガレットの政策でしたが、ヨーロッパの統一通貨の事で議員と意見が分かれてしまいます。 マーガレットのやり方に批判的な声も聞こえるようになりました。 収入の額に関わらず、同額の税金を課す政策を提案するマーガレットに多くの批判が集まるのです。 しかし、どんなに批判を受けても自分の意見を変えないマーガレット。 また国民たちからの反発を買ってしまいます。 「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」ラスト最後の結末 独裁的なマーガレットについていけなくなった官僚や議員。 議長を務めるジェフリー・ハウ アンソニー・ヘッド もその一人。 マーガレットからのいびりに耐えられなくなったジェフリーは、あまりにも意見が食い違っているという理由で辞職を願い出るのでした。 ジェフリーは国会の場で「私は党と国の為に最善を尽くしました。 それも他に譲る時が来たようです。 」と演説し、その演説を聞いた議員たちはマーガレットへの不信感を募らせていくのです。 党首交代を要請する声も多く、次の党首にマイケル・ヘーゼルタイン リチャード・E・グラント が立候補します。 マーガレットは自分の勝利を確信していましたが、かつての仲間だった議員たちはマーガレットを退陣させようと躍起になります。 デニスのアドバイスもあり、マイケルに敗北するよりも自ら首相の座から降りる選択をしたマーガレット。 11年半にも及ぶ任期を務めあげたマーガレットは、首相としての最後の日を真っ赤なスーツで締めくくります。 そのことを思い出しながら、マーガレットは幻のデニスと一緒にあの時の議員や閣僚たちに「裏切り者!腰抜け!」と罵倒するのです。 マーガレットがデニスの遺品を整理していると昔の写真が出てきます。 その写真を見つめながら「私は社会に貢献したかっただけ。 」と話すとデニスが「君はよくやった。 成し遂げたよ。 」と答えます。 子供たちデニスに送った誕生日のメッセージカードを見て「そして子供たちが立派に育ち幸せになって欲しかった。 少なくとも私より幸せに。 あなたにも幸せになって欲しかった。 デニス幸せだった?」とデニスに話しかけますが、デニスからの答えは返ってきません。 マーガレットは、思い出の詰まったデニスの靴や服をどんどんゴミ袋に入れていきます。 袋に入れる度にデニスとの思い出を蘇らせながら。 デニスのスーツケースに、デニスがいつも着ていたナイトガウンを入れデニスを呼びます。 「あなたのトランクよ。 きれいに詰めたわ。 」と言ってスーツケースを渡し、コートを着せるのです。 デニスはマーガレットにキスをし、靴を履かずに家を出て行こうとします。 マーガレットはそんなデニスに向かって「ちょっと待って。 行かないで。 まだよ。 私を独りぼっちにしないで。 」と泣きながら語りかけると、デニスは「君は1人で生きていけるよ。 今までもそうだった。 」そう言ってマーガレットの前から姿を消してしまうのでした。 翌朝、整理した荷物でいっぱいの寝室で眠りこけてしまったマーガレットをキャロルが起こしにやってきます。 色々な事を吹っ切れたマーガレットはそれから穏やかな生活を送るのでした。 「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」見どころ マーガレット・サッチャー役のメリル・ストリープの演技が素晴らしいです! 老いた姿は特殊メイクをしているにしても、その歩き方や表情などが演じている年齢と合っていて、全く違和感がないのです! メリルって何歳だっけ?と考えてしまったほどです! この年のアカデミー賞主演女優賞に輝いたのも頷けますよね。 鉄の女と言われたマーガレット・サッチャーを力強く堂々と演じ、どこまでもマーガレット・サッチャーを追い続けた役作りは本当に見事です! 個人的に、強烈なイメージがあるサッチャー首相でしたが、男性社会の中で自分の意見を貫き通し逞しく生き抜いた姿が上手く描かれていて、サッチャー首相に対するイメージも少し変わった作品でもあります。 最後はかなり泣けます! デニスとマーガレットのシーン、最後に限らずとても良いのです! 母や女性としてではなく、政治家として生きてきたマーガレットの愛がデニスとのシーンでは感じられてとても好きなシーンが多いです。 そして「ティーカップを洗うだけの人生は耐えられない」と言っていたマーガレットでしたが、最後のシーンでは自分が使ったティーカップを家政婦ではなく自分で洗っているというシーンがとても素敵でした。

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